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パートナーが、がんになったら

2人で歩んできた人生の延長線上でがんと向き合っていきましょう

Q:

パートナーががんになり、将来への不安がいっぱいです

パートナーががんになって不安で仕方がないという方もいるでしょう。がんという病気に対する夫婦の立ち向かい方は様々です。そこにマニュアルは存在しません。これを機会にお互いにじっくり話し合ってみることも大切です

答えてくださる方

加島 明 先生
慶應義塾大学病院 医療連携室
ソーシャルワーカー
精神保健福祉士

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夫婦の歴史によって、がんに対する向き合い方は様々

パートナーががんになると、これからどう向き合ったらよいのかと悩まれる方もいます。これまで経験してきた苦難をそのパートナーと一緒にどう乗り切ってきたのか、パートナーとしての歴史がどうであったかによって向き合い方はさまざまです。
 こんな夫婦が相談に来られました。これはパートナー同士が深い信頼関係に基づいているケースです。
「末期がんを告知されているが、1回目の抗がん剤の効果があまりなく、種類を変えてもう1回やってみようと言われている。しかし、それが終わったら、私たちはこの先どうなるだろう? ずっと入院していられるとも思えない。車椅子生活で、車椅子に乗るにも看護師2人の介助が必要という状況では、妻1人での在宅ケアは困難。そもそも在宅の準備をできるほどの時間的余裕はあるのかもわからない。どう考えたらよいでしょう? 」という素朴な相談でした。
 ご自身が末期のがんでありながらも、パートナーである妻の将来や負担を第一に考えて治療選択をしようとされていました。深い信頼がなければ成り立たない夫婦像です。答えは既に夫婦の間に存在しているのかもしれません。そんな場合は、私は背中を押してあげるに留めます。
 慌てた様子で飛び込んできた方もいらっしゃいました。これは、家庭や家計の一切を妻にまかせっきりであった夫のケースです。
 よっぽど動揺されていたのでしょう。「妻ががんで入院したが、家事をまるでやったことがなく、預金通帳もどこにあるかもわからない。公共料金の支払いがどうなっているかもわからない。どうしたらいいでしょう?」という相談でした。 「まずは奥さんに聞きましょう」とお答えしました。奥さんに聞かれたところ「表紙が緑色のノートにすべて書いてあります」とのこと。夫のことをよくわかった上で、奥さんが準備されていたのですね。
 普段から、家事や家計に一緒に参画しているような夫婦は比較的スムーズですが、この方のように妻が家計のすべてを仕切っているという夫婦では、妻ががんで入院となると夫は路頭に迷われます。高度成長期を、仕事一筋で過ごしてきた男性に多いのかもしれませんね。
 パートナーに、がんであることを最期まで告知しないことを選択されるケース、夫婦の信頼関係が崩れて、共に病気に向き合うことが難しいケースもあります。  夫婦の歴史によって、がんに対する向き合い方は様々であるといつも痛感させられます。

普段から相手と一緒に
きちんと向き合っていることが求められる

がんという問題にぶつかる前に夫婦で歩んできた歴史があり、そこからは外れようがないのかもしれません。その延長線でその人たちなりにがんと向き合っていかなくてはなりません。そこにはマニュアルはありません。問題にパートナーとしてどう取り組んでいくのかは、その人次第です。
 がんにかかると少なからず人生の過ごし方が変わってきます。パートナーとしてどう向き合っていくのか。日常生活での様々な問題に対して、相手と一緒にきちんと向き合っていることが求められるのではないでしょうか。

 
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Last Updated: 2018/8/03L.JP.OH.09.2014.0841