TOP > ご両親が、がんになったら > 「家族は第2の患者」 医療者に相談しましょう
 
ご両親が、がんになったら

「家族は第2の患者」 医療者に相談しましょう

Q:

親の前で明るく振る舞うのがつらいのですが

患者さんをサポートするご家族にもストレスはつきもの。「家族は第2の患者」という言葉もあります。辛いと感じたら、家族も医療者に相談しましょう。

保坂隆先生

答えてくださる方

保坂 隆先生
東海大学
医学部教授(精神医学)

プロフィールを見る

がん患者家族の矛盾する2つの役割

がん患者さんのご家族の多くは、普段は沈んだおももちなのに、患者さんの前では明るく振舞おうと努力しています。

私は、よく、「家族は『第2の患者』である」と言っています。

その意味ですが、通常の看護や介護の場合は、看病や介護に疲れ果て、心身の健康を損ねてしまうといった状態に陥ることが「第2の患者」と言われています。もちろん、そのような言い方も正しいと思うのですが、がんの場合は次のような別の面があります。

がん患者さんの家族は、矛盾する2つの役割を課せられています。まず、その役割の1つとして、大事な家族を失いつつあることにより、自身が傷つきやすいという患者的側面があります。もう1つの役割として、患者さん本人を励ましていかなければならないというような、大切な人を支えていく治療者的側面があります。

告知されていないと「演技」が顕著に

例えば、先述のようにがん患者さんの家族が面会に来るとき、病院の病棟までは、とてもふさぎ込んでいて、つらそうにしています。しかし、病室の前に行くと急に笑顔を作って、その中に入っていきます。このように、家族は2つの役割を使い分けないといけないわけです。また、その2つの役割は、本人にがんの告知がなされていない場合、顕著に表れてきます。

それに対して、医療者はどのようなサポートができるのでしょうか。まず、家族の患者的側面に対して、例えば医療者は「今夜は私たちがいますから、お帰りになっていいですよ」と言って、家族をいたわったりすることを支持的精神療法といいます。

一方、家族の治療者的側面に対して医療者ができるのは、例えば「こういう場合には、こういうような言い方をしてください」と教えてあげたりすることです。看護職であれば「このように背中をたたくと、痰が出やすくなります」と教えてあげたりします。また、そのように、専門職が自身の技術を教え、援助することを、スーパービジョン(super vision)といいます。

以上のように医療者にできるサポートがあることも踏まえて、遠慮せずに医療者に相談してみてください。

 
掲載されている情報・データはあくまで一般情報であり、個別の患者さんとその治療に関して特定の治療法などを推奨したりするものではありません。治療に関しての判断は、主治医などの医療者とご相談のうえご自分でなさってください。バイエル薬品株式会社は、当サイトを読んだことが引き起こすことに関して一切の責任を負いません。
 
Last Updated: 2018/8/03L.JP.OH.09.2014.0841