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ご両親が、がんになったら

介護保険は入院中に
申請しましょう。在宅療養を
支援してくれる医療機関への連絡も忘れずに

Q:

末期がん患者は、介護保険が活用できるとききました。手順について教えてください。

日本の社会保障制度では、原則として医療保険と介護保険は同時に使えません。しかし、末期がん患者さんの場合は特例のひとつとして併用が可能です。医師や看護師、薬剤師などによる医療サービスは医療保険で受け、訪問介護(ヘルパー)、ベッドなどの福祉用具の利用、訪問入浴といった生活支援の部分は介護保険で賄うのが一般的です。

川越厚先生

答えてくださる方

川越 厚 先生
医療法人社団パリアン
クリニック川越
理事長・院長

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まずは申請し要介護認定を受ける

介護保険を利用するためには要介護度の認定を受けることが必要です。これは、その患者さんがどの程度の介護を必要としているかを客観的に審査し、利用できるサービスの限度額を決めるものです。申請先は市町村で、申請後は主治医意見書と訪問調査による状態の把握、コンピュータと審査員による2段階の審査・判定が行われ、認定結果が出て被保険者証が発行されます。

がん患者さんの場合、ほかの病気の患者さんと違ってかなり病状が進行した段階でも食事をしたり自分で歩いたりできるので、最初は要介護1か2と、比較的低い介護度で判定されます。それでも大雑把に言って1ヵ月に上限16~20万円弱の介護サービスが利用でき、自己負担分は1割ですから、必要なサービスをうまく組み合わせればかなりの助けになるでしょう。亡くなる直前には身体機能が衰えるため、介護度は高くなり、認定を再申請することでさらに多くの介護サービスを利用できます。

末期がん患者さんに最も多く使われているサービスのひとつに介護用ベッドのレンタルがあります。電動で体を起こしたり寝かせたり、角度を変えたりできるので便利です。日中独居の人にヘルパーを日に数回入れたり、医療依存度の高い人が看護師に見守られながら利用できるデイケア(療養通所介護)にも介護保険が適用されます。自宅以外の場所で安心して過ごせるこうしたサービスは、患者さんにとってよい気分転換になります。

スピーディーな認定が求められる

末期がん患者さんが要介護認定を受けるにあたり、いつも問題になるのは認定のスピードです。一般に要介護認定は申請から認定までに1月程度かかるといわれています。認定は通常、申請順に行うので、もっとかかるケースもあります。しかし、末期がんの患者さんは病院を退院してから亡くなるまでの期間が短いですから、こんなにかかったのでは意味がありません。そこで厚生労働省は、末期がん患者さんの申請を優先するよう都道府県に通達を出しました。これにより認定スピードはかなり早くなりました。

要介護認定の申請は、患者さんが入院中でも退院を決めた時点で行うことができます。できるだけ早く申請すれば、それだけ早い段階で要介護認定を受けることができ、サービスの利用がスムーズになります。

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大事なのは病院医療から在宅医療への切れ目ないつながり

ご存知のように、介護保険制度では介護支援専門員(ケアマネジャー)という職種が活躍しています。介護保険の申請は多くの場合、このケアマネジャーが担当しています。しかし、ケアマネジャーが患者さん側の希望どおり素早く動けるとは限りません。なかには申請書類をたくさん抱えているケアマネジャーもいます。そこで、1日も早く介護認定を受けたい末期がん患者さんの場合には、家族自ら早い段階で入院先の病院の地域連携室などに相談し、先手先手で申請を行うことをおすすめします。

同時進行で、退院後の医療を担ってくれる在宅医を見つけて連絡をとり、相談しておきましょう。病院の医師が忙しく、申請に必要な主治医意見書を書く時間がすぐに取れない場合には、在宅医に頼むことも可能です。こうして家族が積極的に行動することで、病院の医療と在宅医療が切れ目なくつながります。この医療のつながりが、安心して療養するためにはとても大切です。

 
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Last Updated: 2018/8/03L.JP.OH.09.2014.0841