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ご両親が、がんになったら

今、生きている時間を
充実させて、悔いの残らない在宅療養を心がけましょう

Q:

親が亡くなったあとのことが不安です。
悲しみに耐えられるでしょうか?

これまで生きていてくれるのが当たり前だった親がある日、亡くなる。息子さんや娘さんにとってこんなに辛いことはありません。「お父さん(お母さん)が間もなく死んでしまう」と思いながら、平静な気持ちで在宅ケアを続けることができるのでしょうか。

川越厚先生

答えてくださる方

川越 厚 先生
医療法人社団パリアン
クリニック川越
理事長・院長

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家族も患者さんの一部

死に直面した末期がん患者さんは、体の痛みだけでなく、不安などの心理的な苦痛、仕事ができない、役割が果たせないといった社会的な苦痛、なぜ生きているのかと悩むスピリチュアル・ペインなどさまざまな苦痛に直面しています。同じようにまた、家族の方々も深く苦しんでいます。ですから家族もまた患者さんである、末期がん患者さんとその家族はケアを受けるひとつの単位であるといえます。こうした考え方はホスピスケアの基本です。

末期がん患者さんの在宅療養を支える医療者が、家族の苦痛にどこまで踏み込んでケアしてくれるかによって、患者さんや家族の在宅療養は大きく変わって来ます。家族ケアを重視している在宅医に出会うことが、苦痛を軽減する第一歩といえます。家族も患者さんと一緒に十分なケアを受けながら納得のいく最期を迎えることができれば、患者さんが亡くなったときの家族のダメージは思いのほか小さくなります。

「親が亡くなったあとが不安」というお子さんの気持ちはもっともですが、まずは生きて生活している時間をどう充実させるかを考えてください。悔いの残らないケアができれば、きっとよい最期が迎えられ、その充実感や満足感が悲しみを和らげてくれるはずです。

悲しみはいつか必ず癒える

そうはいっても、愛する親を永遠に失うという体験は、少なからず心の傷となって残るものです。強いショックを受け、気持ちが落ち込み、不安や孤独感に苦しむこともあります。食欲が出ない、眠れないといった症状が出てくることもよくあります。「もっとこうしてあげればよかった」「あのときなぜあんなことを言ってしまったのか」と自責の念にかられることもあるでしょう。

しかしこうした心の傷は必ずいつか癒えます。そのことをぜひ知っておいてください。多くの場合、最も苦しいのは患者さんが亡くなって半年後くらい。そこから徐々に回復し、1年後にはほぼ通常の状態に戻るといわれています。私の経験では、在宅で患者さんを看取った家族の場合、この回復がもっと早いように思います。

配偶者の悲しみを一番に考えて

ここでひとつ、残されたお子さんたちにどうしても言っておきたいことがあります。

先に触れたように、亡くなって半年目くらいが、気分の落ち込みが一番ひどくなる時期です。精神的な苦痛から何かの病気を発症することもあるかもしれません。その時期には残されたお父さん(お母さん)の様子に特に気を配ってあげてください。お子さんたちだけで支えきれなければ、在宅医に相談するのもひとつの方法です。また、同じようにがんで配偶者を亡くした人が集まる遺族会に参加し、お話をされるのもよいでしょう。同じ体験をした人同士だからこそ、悲しみを共有することができます。また、すでに悲しみから立ち直った遺族の経験を聞くことで、生きる勇気がわいてくることもあります。

 
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Last Updated: 2018/8/03L.JP.OH.09.2014.0841