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友人・職場の同僚が、がんになったら

いつもと同じように接し、未来の見える言葉を

Q:

同僚や友人だからこそ力になれることはありますか?

職場の同僚や親友ががんになる。それは、これからますます当たり前のことになるのかもしれません。配偶者や家族でもない同僚や友人が、どのように患者さんに接すればよいのでしょうか。一緒に多くの時間を過ごした同僚や友人だからこそ力になれるようなことはあるのでしょうか。

角行之さん

答えてくださる方

角 行之さん
教育・経営コンサルタント/
エッセイスト

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「思った以上に元気に見える」「また一緒にやってみよう」

がんにかかった患者さんに対して、普段の仕事ぶりをよく知っている同僚、楽しい思いを何度も共有してきた親しい友人にしかできないことはたくさんあります。三度のがんを経験し、入院中にも多くの方に見舞いに来てもらった私は、それを実感しています。

一番ありがたかったのは、病室を訪れた親しい友人に「話が違うじゃないか」と言われたことです。どうやら彼は、私がもっと弱っていて、憔悴していると思っていたらしいのです。ところが思いのほか元気だったので「なんだ、全然変わりないじゃん」と声をかけてきたのです。それも、普段と同じ口調で。いまや日本人の2人にひとりはがんにかかる時代です。早期発見し適切な治療を受けることによって、上手に付き合いながら生活していくことが可能な病気になりつつあります。ですから、がんと聞いてもあまり身構えずに、いつも通りに接してもらうことが何よりです。

逆に私が友人を見舞う立場になったときに心がけているのは、患者本人が自覚していない元気さを伝えることです。「肌のつやがいいね」「声に張りがあるね」「目が輝いているね」などと、思っていた以上に元気に見える、ということをまず伝えます。

そして「あの時の仕事はお前のおかげで成功したな、また助けてくれよ」とか、「あれがまだ達成できていないから、元気になったら一緒にやってみよう」とか、過去に基づいた、未来につながる言葉をかけます。これは、家での姿しかご覧になっていない家族の方や、専門知識はお持ちでも、バックグラウンドまではご存じではない医療従事者の方には、できないことではないでしょうか。そういう声をかけられると、自然と気持ちがピンとしてくるものです。

生半可な知識で患者さんを惑わせない

逆に、絶対にやってほしくないこともあります。それは、医者不信につながる、素人的な言動です。今は、インターネットを見れば、がんに関する情報があふれています。それが間違っているとは言いませんが、素人がその情報を正しく判断できるかと言うと、そうではないと思います。ですから、生半可な知識を仕入れて、患者さんを惑わすようなことはしないでほしいと思います。

私は経験上、食事に気を配り、身体の芯、つまり基礎体力をつけたことが、早期回復に役立ったと実感しています。それでも、がんにかかった友人に「食事はこうせよ」という言い方はしません。「私の場合はそうだったよ」と言うまでです。がん患者と一言で言っても、症状やそれを受け止める心境は千差万別です。友人や同僚にできることは、そういった専門分野に踏みこんだアドバイスをすることではなく、最初にもお話した通り、まずは「思った以上に元気に見える」と、回復への希望と自信につながる言葉を、いつもと同じように発し、早く良くなって「一緒に仕事をしよう」「また楽しい時間を共有しよう」と声をかけて、未来を見せることなのです。

 
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Last Updated: 2018/8/03L.JP.OH.09.2014.0841