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お子さんが、がんになったら

兄弟姉妹に親を含めた心のケアも必要です

Q:

家族が沈みがちです、何かよい対策はありませんか?

家族も第2の患者という言葉がありますが、お子さんががんで入院していると、一方で家に残った兄弟姉妹にも大きなストレスがかかります。親は入院している子どもだけでなく、兄弟姉妹にも同様の注意を払いましょう。さらに、兄弟姉妹を病院に連れていき、入院中の子どもと一緒に遊ぶ機会を作ることが有効です。

大曲睦恵さん

答えてくださる方

大曲 睦恵 さん
国立がん研究センター
中央病院緩和医療科
チャイルド・ライフ・スペシャリスト

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家族中心のケアが理想

子どもの入院は家族の生活に大きな重圧となります。子どもががんの治療のために入院している期間は、家に残った家族にとっても「不安定な期間」になるかもしれません。入院に伴うストレスによって、家族に心理的な葛藤が生まれてくることもあります。入院中でも子どもと家族との絆が維持され、家族の愛情を子どもが自然に感じられる、家族中心のケアが提供されることが理想です。

入院している子どもは家族、特に兄弟姉妹がいる場合は、彼らとの隔絶感に悩み、孤独感を感じることもあります。一方で兄弟姉妹が患者となり、入院してしまい、親がそちらにかかりっきりとなると、やはり残された側は別の意味で疎外感を抱くことになります。当たり前のことですが、双方には同じくらいの愛情が必要なのです。両親の関心は入院している子どもに向かいがちですが、残された兄弟姉妹も大きなストレスを感じていることも少なくありません。残された兄弟姉妹の生活の様子の変化に気をつけるようにしてください。

兄弟姉妹の話を率先して行う

入院している子どもにとって、病院という治療環境においても、家族という一つの単位を維持していく方法として、兄弟姉妹を病院に連れてくることが推奨されています。こうすることによって、患者となった子どもにとっても、また家に残っていた兄弟姉妹にとってもお互いの絆が強まり、プラスになります。兄弟姉妹が見舞いに来ると、患者である子どもは一緒に遊んだり、話をすることで、入院や治療に前向きになれる力がさらに強くなります。一番安心して遊ぶことができる相手が兄弟姉妹なのです。

兄弟姉妹が見舞いに来られない場合でも、入院している子どもの前では、自然な形で家にいる兄弟姉妹の話をするようにしてください。特に「○○ちゃんの話を、家ではよくしているのよ」とか「この前一緒に遊んで嬉しかったと言っていたよ」とか、兄弟姉妹が患者を忘れていないという点を強調して話していると、入院中の子どもの安心感につながります。また、家に帰ったときには、同じように、入院中の子どもの話を兄弟姉妹にしてあげてください。こうすることによって、お互いを身近に感じることができるでしょう。

北米では、病気の兄弟姉妹を持つ子どもたちが集まる会が数多くあります。日本ではまだそのような取り組みが少ないのですが、少なくとも兄弟姉妹で遊ぶ時間を増やし、家族全員が家族らしくいられるような機会が大切です。そうすることで、入院している子どもと家族のトータルケアに配慮した闘病生活になるのです。

親もリラックスする機会を設けましょう

子どもががんになるということは親にとっても大変つらいことです。子どもは大変なストレスにさらされながら治療を受けています。そこに寄り添う親の苦労も並大抵のものではありません。診断直後のショックのために医師の説明をほとんど覚えていないという例も見受けられます。時折、子どもに四六時中つききりでいる母親の方を見かけることもありますが、このような状況だからこそ親の方も健康に配慮することが大切です。

親のストレスを緩和するために、同じ境遇の親同士で語り合う場は、大変有効なようです。同じ悩みを吐露しあうことで、気分がすっきりするという声をよく聞きます。でも、「皆さん、語り合いましょう」と呼びかけているだけでは、コミュニティーは成立しないものです。静岡がんセンター小児科病棟では、臨床心理士さんによる「サポーター充電タイム」という催しを時々行っています。サポーターとは子どもたちのサポーターのことで、要するに親の皆さんです。リラクゼーションやマッサージ、アロマセラピーの催しを通して、付き添っている親の緊張をほぐすと同時に、これをきっかけに親の方々同士で自然とコミュニケーションが生まれることを目指しています。

 
参考資料:

青木睦恵:こどもの心に寄り添うこと,緩和ケア別冊,18,28-32,2003

大曲睦恵:がん化学療法におけるチャイルド・ライフ・スペシャリストの役割,Nursing

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Last Updated: 2018/8/03L.JP.OH.09.2014.0841