TOP > お子さんが、がんになったら > 小児がんの治療に習熟した専門医で。子どものがんは7~8割が治癒します
 
お子さんが、がんになったら

小児がんの治療に習熟した専門医で。子どものがんは7~8割が治癒します

Q:

子どもががんになりました。治癒できるのでしょうか。

お父さん、お母さんはがんと聞くと「命にかかわる病気」であるとショックを受けますが、大人のがんと子どものがんは種類や性質が異なります。薬に対する感受性も極めて高く、複数の治療法を組み合わせることで、多くの小児がんは完治が可能になってきています。

楠木重範先生

答えてくださる方

楠木 重範 先生
大阪医療センター
小児科医師

プロフィールを見る

子どものがんは多くが完治する

お父さん、お母さんはがんと聞くと「命にかかわる病気」と思われる方が多いかもしれません。一部の難治性の小児がんもありますが、一般的に小児のがんは7~8割が完治する病気です。

子どものがんは、大人のがんとは種類も性質も大きく異なります。大人のがんの多くは比較的浅い組織にできますが、子どものがんは深いところにできるのが特徴です。骨、筋肉や神経など深い組織のがん、白血病や悪性リンパ腫といった血液のがんが多いです。 深いところにできるために、発見が難しく、がんの増え方も速いのですが、大人に比べて薬物療法や放射線療法に対する効きめが極めて高いのも特徴です。

大人のがんの治療のために開発された抗がん剤はよく効きますが副作用もあるため、大人では使える量は限られます。ところが子どもは臓器が丈夫なため、その体の大きさに比べると比較的多量の抗がん剤を使うことができるのです。よく効く薬を十分に使うことができるので、治すことが可能なのです。

近年、手術や放射線療法、化学療法など治療方法の進化によって小児がんの治療成績は目覚ましく向上してきています。「小児がんは治る病気」というイメージも定着しつつあるように思います。

小児がんを知っている医師に診てもらう

小児がんは種類が多く、症状も様々です。また小児のがんの発症率は1万人に1人と、非常に少ないこともあり、臨床医が見逃してしまうことも少なくありません。

実は私は子どものころに悪性リンパ腫を患ったことがあります。そのときは耳鼻科で手術をしましたが、担当した医師が切除した病理組織を保存していなかったため、予後(治癒する見込み)の予測や最適な治療の選択に不安を感じたことがありました。

先日は、腕に皮疹ができた子どもが患部の治療を受けた後にどうも様子が変だと紹介されてきて、検査をしたら白血病だったということがありました。子どもがよく吐く場合も、鑑別診断では腸炎か髄膜炎が候補になりますが、まれに脳腫瘍が見つかるケースもあります。

頭痛、嘔吐、痛み、子どもの病気がなかなか治らないと思った場合は、病院の小児科への紹介状を書いてもらってください。今は、他の病院への紹介状を書いてもらうことは失礼なことではありません。小児がんの診断や治療に習熟した小児科の専門医によって診てもらうことが大切です。

紹介先病院の小児科では、まず血液検査をしてもらうことをお勧めします。血液を調べれば、がんだとは分からなくても異常は数値に現れます。大学病院などで再検査をすれば、診断がつくでしょう。

私が大学病院で働いていたときには、他科の医師にも「診断がつかない小児患者がいたら、小児科へ回してほしい」と常に声をかけていました。小児がんのことを鑑別診断として考えている小児科医ならば子どもの疾患のほとんどは診ることができますし、子どものがんを見逃すこともほとんどありません。

気になる症状や、なかなか治らないと思ったら、皮膚の疾患でも嘔吐であっても、とりあえず小児科に連れていっていただいても良いかもしれません。小児科で一通りの診断を受けて、これは皮膚疾患だと分かれば皮膚科医の診断を受ければ良いのです。

 
掲載されている情報・データはあくまで一般情報であり、個別の患者さんとその治療に関して特定の治療法などを推奨したりするものではありません。治療に関しての判断は、主治医などの医療者とご相談のうえご自分でなさってください。バイエル薬品株式会社は、当サイトを読んだことが引き起こすことに関して一切の責任を負いません。
 
Last Updated: 2018/8/03L.JP.OH.09.2014.0841