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友人・職場の同僚が、がんになったら

“傾聴”と“共感”を心がけ、ありのままを受け入れましょう

Q:

患者さんの話を聞く際の注意点を教えてください

がん患者さんの話を聞く際にぜひ心がけていただきたいポイントがあります。その反対に、やらない方がよいこともあります。患者さんに「あなたと話ができてよかった、ほっとした」と思っていただくために、聞き方のルールをご紹介いたします。

保坂隆先生

答えてくださる方

保坂 隆先生
東海大学
医学部教授(精神医学)

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傾聴とは、相手の立場・価値観に立って話を聴くこと

患者さんの話を聞く際の基本は、“傾聴”と“共感”です。また、それは友人や同僚の方々だけでなく、家族、医療者にも共通するものです。

まず、日本語の「聞く」と「聴く」の違いを理解しておきましょう。「聞く」とは、耳に入ってくる音をとりあえず理解することです。一方、「聴く」とは、耳と目と心を活用し、注意深く、一生懸命に聴くことで、この「聴く」ことが、“傾聴”につながります。つまり、一生懸命耳を傾けることで、相手から本音の話を引き出すことができるのです。

“傾聴”とは、相手の立場、相手の価値観に立って話を聴くことです。ここでは、自分の価値観や立場を差し挟まないようにして聴く必要があります。また、そのような態度で話を聴いた結果、相手が「話ができて本当によかったわ!」と思ってくれたのであれば、“傾聴”がうまくいったのだということです。

“傾聴”の原則をまとめると、1)助言(アドバイス)をしない、2)お説教をしない、3)自分の考えを押しつけない、4)すぐに結論を出さない、となります。

共感のコツは「内容」と「感情」に対応すること

次は、“共感”についてです。ここで知っておきたいのは、すべての人の話には「内容」と「感情」という2つの要素が交じっているということです。例えば、がんの患者さんが「今日、がんが再発したと言われた。とてもショックで、悲しくて…」と話したとします。この場合、「がんが再発したと言われた」ことは、あくまでも事実関係としての「内容」です。一方、「とてもショックで、悲しくて…」という部分が、その人の「感情」です。このように通常、「内容」と「感情」が入り交じっているのが、人の話なのです。

“共感”のコツは、すべての話にはこのように「内容」と「感情」という要素があるということを踏まえて対応することです。例えば、相手が「今日、がんの再発を言われました」と、「内容」の要素を話したとします。その「内容」に対する“共感”としては「病気が再発したのですね」と、事実についてだけ確認をします。それに対して「とてもショックで、悲しくて…」と、感情についての話があった場合、「それは、とてもおつらかったですね」というように、その感情に対して自分も何とか理解しようとしていることを伝えます。

カウンセリングにはやってはいけないこともあります

また、“傾聴”と“共感”という2つの要素があって初めて、“受容”という状態に至ります。つまり、相手を評価せず、ありのまま受け入れるようになるのです。

“その“共感”と似て非なるものとして、同感、同情があります。例えば、相手の前述のような話に対して、「わかります、そのお気持ち。私も…があって…」と答えるのが、同感です。また、「それはお寂しいでしょう。私にできることがあったら、何でも言ってくださいね」と対応するのが、同情です。

なお、カウンセリングというレベルになった場合、やってはいけないこととして、1)指示・先導、2)非難・攻撃、3)評価・説教、4)尋問調の質問、5)安易な保証や激励、6)レッテル貼りや診断、7)過剰な解釈、8)無理な結論、などが挙げられます。

 
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Last Updated: 2015/5/13L.JP.OH.09.2014.0841